【映像’26「異教の隣人たち~ともに歩めるのか~」】
2026.07.12
大阪・西成。金曜礼拝の日、モスクには1,500人を超えるイスラム教徒が集い、一斉に祈りを捧げる。
深刻な労働力不足が続く日本において、外国から来るイスラム教徒は今や社会を支える不可欠な存在だ。
しかし、ネット上には「日本が乗っ取られる」「日本から出ていけ」という排他的な言葉が溢れ、社会に深い分断を生んでいる。
モスクの代表を務めるヘリザル・アダルデイさん(49)は、20年以上前にインドネシアから技能実習生として来日した。妻と7人の子どもがいる。かつて西成でホームレス支援に奔走したヘリザルさんの根底にあるのは、「困っている人を放っておかない」というイスラムの精神だ。このモスクは、高齢化が急速に進む西成の介護現場などで働きながら、異国で孤独を抱えるイスラム教徒たちの心の拠り所でもある。
イスラムの文化や習慣への理解が追いつかない日本で、分断の象徴となっているのが「土葬」を巡る問題だ。宗教上の理由から土葬を求めるが、火葬率99.9%の日本においてなかなか理解されない。各地で反対運動が起きるなか、京都府南山城村の高麗寺では土葬を受け入れている。
在日2世として差別を経験してきた寺の代表、崔炳潤(さいへいじゅん)さん(85)の「人を区別しない」「国籍や宗教を問わず受け入れる」という信念は、寛容さを失いつつある現代社会に鋭く問いかける。しかしその一方で、「土葬によって水質や土壌が汚染されるのではないか」という不安の声も相次いでいる。その懸念に科学的な根拠はあるのだろうか。
単なる都合のいい労働力なのか。それとも、共に歩むべき隣人なのか。
そもそも、私たちは日本で暮らし働くイスラム教徒たちの素顔を、どれだけ知っているのだろうか。
分断の時代、その実像に迫りながら、「共生」の真の意味を問い直す。