【映像’25「生と死をつむぐ~医療+宗教=いのちのケア~」】
2025.06.27
岐阜県大垣市で医療法人の理事長を務める沼口諭医師(63)。医院での診療だけでなく、訪問診療にも力を入れている。「これまで診てきた患者さんたちの看取りの場所を作りたい」との思いで2015年には、メディカルシェアハウス「アミターバ」を開設。高齢者施設にはせず、誰でも入れる環境を整えた。
「アミターバ」の特筆すべき点は、施設に臨床宗教師がいること。臨床宗教師は、資格を取った宗教者が医療の現場に立ち患者の心のケアにあたる。お布施をもらったり、布教したりすることは禁じられている。まだ、知らない人が多い職種だが、僧侶である沼口医師の強い希望でいま、5人の臨床宗教師が患者と向き合い「最期の日」まで心に寄り添い、生きがいを一緒に見つけていく。
ある女性は、趣味の絵を描くことを臨床宗教師とともに続け「生きる力」を得ている。また、ある女性は「俳句」を通して臨床宗教師や施設のスタッフたちと心の交流を続ける。
沼口医師は、訪問診療で末期がんの患者や様々な病と闘うひとたちに寄り添い、会話を積み重ねることで終末期や病の不安を取り除こうとする。地域に根付き「いのちのケア」を掲げ、新たな医療のカタチに取り組む沼口医師の日々をみつめる。