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【映像’25「新聞力〜“紙”だからこそ〜」】

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ある朝、私(ディレクター)は通勤電車で隣に座る男性に因縁をつけられた「あんたが新聞めくるの鬱陶しいねん」、向こう隣に座る連れ合いらしき女性がたしなめた「やめとき、怒られるで」。すると男性は「せやけど、今どき電車で新聞読んでるねんで」…朝から酔眼の人物ではあったが、私は咄嗟に言葉が出ず、無視を決め込んだ。
49歳の私は、小学生の頃に初めて新聞記者という職業を意識した。放送記者になっても、新聞で情報を得て、現場で新聞記者の取材姿勢に学ぶことも多かった。
しかし、新聞の部数減少は著しい。日本新聞協会によると、この20年で半分になった。日本の新聞普及率を支えてきたのが配達制度だが、全国紙で初めて毎日新聞が、富山県に続き、北海道の一部、島根県西部で配送を休止する。和歌山県も山間部では配達から郵送になった「空白地帯」がある。朝刊が朝に届かないのだ。一方、各紙が活路を見出そうとしているのがデジタル展開だ。PV数が勝負となる。私は危機感を抱いた「このままでは紙の新聞はなくなるのでは…」、そこで販売店、読者から記者や新聞社幹部も取材した。形勢不利は、承知の上。「紙の新聞」の公共性、文化資本としての可能性を探る。

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