【映像’24「国家の嘘と報道の任~北朝鮮帰国事業65年~」】
2024.09.22
かつて「地上の楽園」と呼ばれた国がある。その言葉を信じ1959年から1984年の間に9万人以上の人たちが、北朝鮮に渡った。だが実際は「地上の楽園」の生活とは程遠く、食うに困る生活を強いられることに。帰国者には、およそ1800人の日本人妻がいて、大阪、八尾市に住む斉藤博子さんは「3年したら日本に帰ることができる」と説得されたそうだ。だが、困窮した自由のない生活を強いられ、6人いた子どものうち4人と夫は、餓死や病死で失うつらい経験をした。
斉藤さんたち4人は「北朝鮮に騙されて人生を狂わされた」として2018年、北朝鮮政府を相手に損害賠償を求めて裁判を起こす。東京地裁では除斥期間を理由に敗訴したが、去年に東京高裁は、出国させずに留め置いたことに関しても日本で裁判ができ時効ではないとして東京地裁に差し戻し、いまは裁判の再開を待つ日々だ。
帰国事業を巡っては当時、マスコミが好意的にとらえ、実際に訪朝団として訪れた新聞記者たちが好意的に報じたことも帰国事業をあと押ししたと指摘されている。なぜ、「国家の嘘」を見抜くことができなかったのか。当時、記者だった人たちからの証言を得て「報道の任」を再確認する。