Video Unité

映像’23「バッシング 陰謀論と情報戦」_banner

【映像’23「バッシング 陰謀論と情報戦」】

新型コロナウイルスが感染拡大した2020年、沖縄・那覇市では男性が「チャイニーズは歩く生物化学兵器」と街頭で喧伝した。2022年、ロシアのウクライナ侵攻前後には、「ウクライナには米国主導の生物兵器研究所がある」というロシア発の情報が日本のネット上でも大量に拡散されていったという。瞬時に情報が広がる状況下、日本政府は安全保障上のディスインフォメーション対策を強化する方針を固めている。
いっぽう、戦争が長期化し、世界が混とんとする中で人びとの不安が高まっているのか、インターネット空間は暴力的で差別的な言説の勢いがとまらない。2018年放送の『映像’18 バッシング~その発信源の背後に何が』は、学問とメディアを攻撃して扇動する政治と呼応する人びとの実態を描いたが、その続編にあたる本作は、陰謀論と情報戦が分断や争いへ発展してゆく危険性を直視する。人は自分がすでに信じていることを拠り所にして世界を理解しようとする、その心理的傾向の可視化を試みる。

SCROLL