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映像’22「研究者 法廷に立つ~特許の対価を問う理由~」_banner

【映像’22「研究者 法廷に立つ~特許の対価を問う理由~」】

 

「千三つ」と言われる特許の世界。千ある発見のうち真の価値があるのは僅かという皮肉な言葉。がんの免疫治療薬「オプジーボ」は千三つのなかで巨大な金脈となった。薬の原理となる物質を発見したのは京都大学の本庶佑特別教授(79)。本庶さんは研究者として最高の栄誉であるノーベル医学生理学賞を受賞してから1年半後、共同研究のパートナーの小野薬品を訴えた。求めた賠償額は226億円(当時)。熾烈な開発競争で「オプジーボ」をめぐり展開された国際裁判に本庶さんは証人として出廷、裁判は和解的勝利となり巨額のロイヤリティが小野薬品に入ることになった。そこで得た収入を大学の研究者にも還元せよ、と求めた。

小野薬品はリスクの高い新薬の開発に巨額の資金が必要であり、追加の支払いには応じられないと主張し、2021年9月に行われた双方の尋問では上場企業のトップとノーベル賞受賞者が時に激しく攻撃しあった。

それから約2か月、裁判は和解に至る。小野薬品は本庶さんに50億円を支払い、京都大学に設立された基金に230億円寄付するという内容だった。和解の背景には裁判所の強い勧めがあった。番組では研究者、企業、そして裁判所、3者の協議の真相を紐解く。

 


 

• 第30回 坂田記念ジャーナリズム賞 受賞

• 第53回 科学放送高柳賞 優秀賞 受賞

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