【映像’21「いつか帰れる日まで~異国で願うミャンマーの民主化~」】
2021.06.27
2021年2月、ミャンマーで国軍のクーデターが起こり、これに反対する民間人と軍との衝突が激化。多くの民間人が、犠牲になっている。 日々、流れる祖国の映像を大阪で見ながら、行く末を案ずる男性がいる。アウン・ミャッ・ウィンさん、47歳。大阪市でミャンマー料理店を営んでいる。
今回のクーデターで技能実習生や留学生など若い在日ミャンマー人たちは、難しい問題に直面する。ミャンマーで民主化運動に参加した親族が逮捕された状況では、自分もミャンマーに帰ったら拘束されるのではないか、というのだ。
さらに技能実習生として日本で働く人たちの中には、コロナ禍で勤務先から解雇されるケースもあり、生活に困窮する人は少なくない。ウィンさんは、自らが営む料理店でこうした若いミャンマー人の相談に乗り、時には仕事や住まいを提供するなどしている。
ウィンさん自身、14歳から民主化運動に参加。1989年にアウンサン・スーチー氏が、自宅軟禁されるとウィンさんは、活動家として狙われるようになり1995年、逮捕された。その後、ブローカーを介して祖国を脱出。幸いにも2004年、日本で難民認定された。
祖国の動向を憂いながらも、在日ミャンマー人たちの力になりたいと取り組むウィンさんを通して、祖国ミャンマーと日本の間で揺れ動く人たちのいまを描く。
• 2022年 日本民間放送連盟賞 審査員特別賞受賞
• 第75回映像技術賞 編集/放送作品部門
• 第59回 ギャラクシー賞 上期 奨励賞