【映像’19「使い捨て異邦人 ~苦悩する外国人労働者たち~」】
2019.03.31
いまや日本で働く外国人の数は128万人を超え、50人に1人は外国人となった。だが国は、さらに外国人労働者を増やそうと去年12月、出入国管理法改正法を成立させた。背景には、経済界の強い要望があった。
岐阜県にある外国人労働者の”駆け込み寺”。2015年に設置された。作ったのは、中国から日本に留学した後、紳士服メーカーに勤めていた甄凱(けんかい)さんだ。かつては、会社で通訳として外国人技能実習生の世話をしていたが、低賃金、労災、暴力、強制帰国などのひどい扱いを目の当たりにし、外国人労働者の救済を始めた。シェルターには、技能実習生16人が身を寄せている。かつて、母国で暮らす家族を楽にさせたい、と夢を抱いて来日した人ばかりだ。甄さんも妻、子供とここで一緒に暮らす。日本はいま、少子化で慢性的な労働力不足にある。国や企業は、今まで外国人実習生を低賃金で便利なコマとして働かせてきた。ところが、様々な問題を解決すること無く、国は外国人労働者受け入れ拡大へと舵を切った。
番組では、シェルターで暮らす人たちにカメラを向け、外国人労働の現実を浮き彫りにするとともに、拙速に過ぎる政策の問題点と改善策を考える。
• 第27回 坂田記念ジャーナリズム賞 特別賞 受賞